演劇の有用性について/salco
異世界を垣間見、浅く狭くは知
るだろう。少なくとも我々の内面に、虚実の境界線など何処にもありはしないのだと。
〜疎通〜
演劇の存在意義は人間と人間、森羅万象と人間との間に介在して行き来をさせる、その極めて直截で能動的な機関性に在るのだろうと思う。と同時にその
企まれた空間は、消え去った時間ともつながる通路なのであろうし、拡大解釈すれば、与り知らぬ未来とも繋がっているのかも知れない。音声も動作も瞬
時に消える1回性の仮想世界であるにも関わらず、こうして考えると不思議な逆説だ。一体これは何だろう、やはり人間の通奏低音みたいなものなのだろ
うか。
確かに私も、時間軸をも超えて響
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