原風景10/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
の路線でいろんなところに行ったものだったから、見慣れているのも当然なことだった。
そういう場所でこれまでやってきたことは今と大して変わらない。ようするに体はきつくてもそれなりにもらえる仕事か、体が楽だけどそれなりにしかもらえない仕事か――今やっている仕事がまさにそんな感じだ――のどちらかしかやってきてないということだ。勉強もスポーツも出来ない、かといって他に何かとりえのあるわけでもない男の行き着く先などはえてしてこういうものだろう。生きてきてからずっと、そうやって納得するようにしてきた。
外の流れを見ながら、ふと、いままでそうやって納得して生きてきたのに、どうしていま、こんなに怒っているの
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