「檻の中の同性愛」/桐ヶ谷忍
は、人間を恐れ、嫌う人間を作り出す行為だ。
他愛もない事ではしゃぐ友達に合わせながら私は醒めていた。
くだらないとか馬鹿らしいとか、そんな言葉すら浮かばないほど
醒め切っていた。
だが、居たのだ。
私が作り上げたキャラクターを上手く演っている事を気が付く友達が。
そしてその友達に「好き」だと告白された。
女子高だ。
思春期の少女ばかりの集まりの中なら、そういう子が居ても不思議ではない。
所詮は同性だけが集められた檻なのだから、同性愛も発生する。しない方が
おかしいと思う。
子犬のような子だった。
誰にでも愛されるような性格の子が、その正反対である私を
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