チューズディ・サンダー/捨て彦
れにくれた。ヤクザも大したものではないと思った瞬間である。
そういうややこしい能力のせいでおれには腕時計がかかせないのだ。今回もたまたまデーモンが月曜の深夜に現れてくれて良かった。月曜の深夜ということもあって、できるだけ隠れて時間稼ぎをしたのが功を奏したのだ。まともに戦っていればおれは間違いなくデーモンに食い殺されてしまっていただろう。逃げながら必死でジャングルジムの周りをデーモンと二人でグルグルしたが、ともかくあの小学生戦法は実に有用だったのだ。
以前一度月曜の昼間にデーモンに襲われたことがある。月曜の真昼間、誰もいない工場に手紙で呼び出された。それはつまり罠だったのだ。女の子の可愛い丸文字
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