うっせみ/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
 見るとその空蝉が。
 大量に空中に浮いて。
 人の形になっていた。
「これがまさに空蝉ってか、って言ってる場合じゃねえなこりゃ」
 慌てて走り出した。
 合わせて空蝉の大群が追っかけてきた。
「なんだよーついてくるんじゃねー!」
 図書館のことなどすっかり忘れた。
 死に物狂いで走った。
 だが大群はしつこく。
 いつまでも追いかけてきた。
 ものすごいスピードだった。
「うわーもうだめだー走れねー」
 叫ぶと同時に。
 その場に倒れた。
 すると空蝉の大群が。
 おれの周りをぐるっと囲んだ。
「うっせみー、じゃない、うっーせめー」
 狭苦しくなった。
 気
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