シェドゥムのための習作/有末
れ以外のこと、知りたいことも知りたくないことも何でもないことのように知った。それぞれに相応しい騒々しさで、調和は保たれ秘密は守られる。三人で囲んだこの小さなテーブルに置かれている腕はきっと12本、ないしは9本、そうシェドゥムは読んだ。果たしてそれが当たっているのか外れているのかは永遠に彼に明らかにされ得ない。シェドゥムはただその点については心から満足し、また納得して席についていた。
かつて少女だった女はいまや黄緑色のドレスを一着も持ってはいないという。もう1人の兄が好む赤いドレスをクローゼットにしまっているらしい。たぶん積木もしなければ床に座ったりもしないだろう。それでも、全てが昔のままであ
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