シェドゥムのための習作/有末
かった。
今日、シェドゥムが開いたのは優しくて明るい学友が敬虔に己の夜着の袖を引く場面で、それはシェドゥムの不快さを幾分か和らげる明快さを備えていた。彼は、カレルがしてくれたことを決して忘れないだろう。あの時に誓った忠節も含めて、忘れない。たとえカレルが後ろ姿の少女の後釜のことをしか覚えておらずとも。シェドゥムは自分がカレルに不釣り合いなほど大きな感謝と愛情を感じていると考えていたが、シンプルな微笑みの持ち主は自らに向けられる好意がどんなものであれ疑問など持たないものだ。ためにシェドゥムは彼を惜しみなく愛し続けることが出来たしこれからもそうなのだろう。
孤独でもなく不幸でもないあの時代にシ
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