死神博士のお化け屋敷/atsuchan69
装置が複雑に動き出すと、そのうち四本のアームが降りてきて博士のまわりを囲んだ。その銃口を想わせる、それぞれの先端には、既に低い唸り声と激しい局部破壊放電が起きていた。
「全世界のみなさん、まずはこのわしが一番乗りです」
ほんの少しだけ起き上がり、博士はカメラに向かってニッコリ笑った。
「照射、三十秒前です・・・・」
寝台のヘッドボードに取り付けられた黄色い回転灯がまわり、やがて黒ずんだ金属ガラス製の遮蔽壁が床から競り上がると、ついに殺人装置のカウントが始まった。
「キャァー。博士、超カッコイイ! 死んでもお達者でぇ〜」
赤毛のメイドは人の死に際して――不謹慎にも――心から嬉しそうに、さ
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