死神博士のお化け屋敷/atsuchan69
ゃ」
私が訊きもしないのに博士は意気揚々と解説した。
干からびたやつの一枚はカメラマンふうの身装で、ムンクの叫びのような顔で今にも折れそうな細い枝にぶら下がっていた。
そして玄関のドアは勝手に開き、パーツを縫い集めて蘇えらせたという博士自慢の気味の悪いメイドがぼろぼろに溶けた歯を見せてニッコリ笑い、
「あら、あなた。ワタシに逢いにきたのね」
そう言って力任せに私に抱きつくと突然、恐ろしくディープなキッスをした。
やがて暖炉のある応接間に通されたが、よく肥えた赤毛のメイドは錆びた色の水を尿瓶に入れて運んだ。
「お茶請に、こちらもどうぞ」
「な、なんですか、虫みたいなこれ」
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