死神博士のお化け屋敷/atsuchan69
れ」
「網翅類である昆虫を大量に捕獲し、ローストした天然素材のスナックじゃよ」
「なんかゴキブリに似てますよね」
「そう、まさしくそれだ」
「で、このヘンな色の水は? 」
「あたしのオシッコ! おかわりでしたら、いつでも言ってくださいね」
すると博士の背後の本棚がゆれて、紫がかった光を帯びた一匹の猫が飛び出した。
「こら、ベーコンちゃん! 悪戯はよしなさいってば。――いや、心配はご無用。じつはこの猫は実在しない」
実在しないと、そう言いながらも博士は、その実在しないという猫を抱いて頭を撫ぜる。
「博士。実在しないってどういうことです?」
「うん。つまりベーコンは我々の次元とは全
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