或る嘘つき女の生涯/木屋 亞万
の頃、僕はまだ煙草を吸っていなかったので、主に金髪の方に怒りの矛先が向いた。伯母は「髪を染めてはいけないという校則があるのは中学校からで、小学生は染めてもいいんだ」と主張したが、父は頑としてその主張を聞き入れなかった。伯母と僕が秘策として用意した黒髪ウィッグも、そういう問題ではないのだと言って許してくれなかった。結局、僕の金髪は一週間でスポーツ刈りにされてしまった。
僕が小学校を卒業してすぐに、両親が離婚した。そして僕は、もう何年もあっていない母のところに引き取られることになった。そして、母と母方の祖母のいる大阪に住むことになり、春からはその家の近くの中学校に通うことになった。僕が大阪に出発
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