失恋に溺れて/チアーヌ
かが切れてしまったのだった。
わたしは俊彦の携帯に電話をしまくった。メールもしまくった。戻って来て欲しかった。元通りになりたかった。一緒に暮らしたかった。
それまで冷静に構えていたわたしの、異常なまでの豹変ぶりに、俊彦は完全に引いてしまったらしく、ある日、携帯は着信拒否になっていた。
それでもわたしはあきらめきれなかった。俊彦に会いたい一心で、仕事場まで押し掛けた。
自分で自分のことが信じられなかった。7歳も年下の男にストーカーまがいのことをするような女では無かったはずだった。
そんな状態をとうとう周囲の人間が知るようになった頃、俊彦は人を介して、わたしにもう二度と近づかないで
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