晴れたら金の鈴/照留 セレン
 
了解っ
 風が冷たかったので、カーディガンを羽織る。一応折りたたみ傘も準備した。今は時間がないから、洗濯は夜にしよう。
 携帯電話が鳴る。
 ――着いたよー
 ――今降りる
 私はアパートの階段を駆け下りた。
 私に気づいた椿ちゃんが、にこっと笑って手を振る。そして空を見上げて、
「ちょっと雲行き怪しいね」
「うん」
 私は生返事をしながら、自分の部屋のベランダを見た。
 てーちゃんも、空を見ていた。

 さっきまで雨が降り出しそうだったのに、遊園地に着くと急に晴れだした。
 黒雲は何処へ行ったのだろう。空には真っ白い雲がのんびり浮かんでいるだけだ。
 椿ちゃんと2人で
[次のページ]
戻る   Point(1)