晴れたら金の鈴/照留 セレン
ンダの柵にかけると、ひと仕事終えた気分になった。
今日はバイトも大学も休みだ。ぐっと背伸びをしながら、何をするか考える。近所のショッピングモールに行こうか。新しい傘がほしい。
私は財布やハンカチを入れたトートバッグを持って、部屋を出た。
ずるっ、ずるっ。
ドアを開けると、何かを引きずる音が聞こえた。
私は薄暗い部屋の奥、ベランダの方を見つめた。人影が見える。
私は1人暮らしだ。
それなのに、部屋に誰かがいる。泥棒だろうか。それにしては小さい。
人影は、窓に手をかけた。鍵をかけ忘れたのだろうか、窓はすっと開いた。人影は何か大きいものを引きずりながら、向かってくる。
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