エセエッセー/光井 新
る理由もその延長にあるのかもしれない。私という存在は、どこからどう読んでも本当につまらない存在で、そんな私の事など書いてもつまらない、私は心底そう思っている。なので口を開く時には落語を、鉛筆を握る時には小説を、常にそう心掛けて今まで生きてきた。
だけどそれも違うのかもしれない、随筆というこの場に本当の心を書くとすれば、私は、他人に嫌われたくないと思っているだけなのかもしれない。私のつまらなさを知り、友人が、教師などの大人達が、そして家族が、離れていくのを恐れているだけなのかもしれない。書いているのが童話というのも、童話というジャンルが他人に好印象を与えるものだと心のどこかで思っているからなのか
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