窓際?/はるな
悪くなるなかで、彼女はそれをうすうす気づいていたのだと思う。彼女はやさしかったし、辛抱強かった(彼女は優秀だった。というのは、学業的な面からみてもだ)。
わたしの周囲に急激な変化はなかった。それなのにわたしの状況は悪くなっていった。そのときには、わたしにはもう、わたしが悪くなっていっているのか、周囲が悪くなっていっているのかの区別はつかなかった。授業を受けることはできた。でも、もう三人のなかで話をすることは難しくなっていた。いまや壁はわたしの前面にだけでなく、ぐるりと取りまくように立ちはだかっていた。ごく薄く、透明に限りなくちかく、それでも物質的な存在として。
カウンセリングルームによく通うよ
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