窓際?/はるな
うようになった。あまり人気のないそこへ行くと、いつもコーヒーをだしてくれた。わたしは緑色のスリッパをはいた。窓際で、彼女と、ひとびとを罵倒することはもうあまりなくなっていた。わたしは疲れ果てていた。わたしは、毎日毎日自分自身を否定し続けていたから、それ以上に何かを否定する力が残っていなかった。緑色のスリッパも、愚鈍な人々も、甘ったるい匂いも、太ももも、ボーイフレンドも、わたし自身に比べれば、否定する必要のないものばかりだった。わたしはわたしを否定する必要があった。なぜならそのころのわたしは、わたしにとって有害で、おろかで、みじめで、おまけに重たい身体まで有する、とにかく邪魔な存在だったから。
彼
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