窓際/はるな
 
、あけるためにわたしは窓際へ移動したのだった。窓をあけ、空気をいれかえるために。あるいはそれを吸いこむために。窓際は彼女としたしくなる前から、なにか重要な意味をもった場所だった。救われるような、認められるような。あるいは接点のような。何との接点なのかはわからないまま。

わたしが腕を千切りにしている頃は、それでも状況はまだそんなには悪くなかった。窓際にいればわたしは彼女と話ができたし、彼女にとってもそれは同様の意味を持つように思えた。チャイムが鳴れば教室に戻ることができたし、教室にいるあいだは授業を聞いていればよかった。授業を聞くときには壁は現れなかったから、つらくはなかった。
彼女はしなや
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