窓際/はるな
しを悪くさせた。
一人ひとりの人間となら、わたしはふつうにしゃべることができた。冗談も、はやりについても、理不尽な教師の愚痴についても、(わたしがおもっている限りは)ふつうにしゃべることができた。三人になっても、まあ、できた。でも四人になるともうだめだった。
自分のまえにはうすい、限りなく透明にちかい、それでも断固とした壁が−それは物質的に−存在して、自分以外の人間の発する言葉を理解しづらくしていた。聞き返せば自分のことばはそのうすい壁にあたり、半分ほどが自分にかえってきた。無力感。通じていない、とおもった。わたしはすぐに、格闘するのをやめた。そして窓際へいくようになった。
はじめ、窓を、あ
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