十三歳、/光井 新
 
仕方なかった。学校に行くのも、他人に会うのも、面倒になって、だからって自殺を考えるのも馬鹿らしくて、死を望む人間よりも人生に絶望していたんだ、生きているのか死んでいるのかも判らずに、ただ無気力に。だけど、あの人の詩と出会ってから全てが変わったんだ、今だって相変わらず景色は色褪せ、何を食べても味を感じる事はない、でもね、あの人の詩に夢中になれる、それでプラマイゼロ、それどころか、僕の概念からプラスもマイナスも無くなって、僕は、生きている、そう強く実感できるようになったんだ。そしたら、今まで黙っていた僕の心は急に叫びだして、まだ拙くて詩なんて呼べるようなものじゃないかもしれないけど、その叫びを書こうと
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