十三歳、/光井 新
 
んとなくだけどね、ちょっとだけ分かったような気がするんだ。あの人の詩は、死を実感させるっていうか、勿論イメージやニュアンスなんだけど、読んでいる側からしてみたら、到底辿り着けないような、内側へ、そして死へ、向かっていって、だけどそれは生でもあって、僕は、あの人の詩を読んだり、あの人の詩について考えている時だけ生きている事を実感できるんだ。学校に行かなくなった頃、ちょうど半年前だけど、景色は色褪せ、母さんには悪いけど、何を食べても味を感じなくて、楽しいと思う事もなくて、僕は何の為にいきてるんだろうって思ったんだ。だからって大げさな苦しみなんかもなくて、植物人間にでもなったかのようで、それが辛くて仕方
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