十三歳、/光井 新
知っているような有名な詩人達と比べても誰よりも凄いんだ。とにかく凄いんだ、時を止めたり、空間を移動させたり、魔術師のようにレトリックを自由に操り、妖刀のような艶がある鋭い言葉、その切っ先を喉元に突き付けるような緊張感で迫ってくる。そんな凄い人が、同じ言語を話す国で、同じ時代を生きている。きっとなにか意味がある事だと思うんだ、まだちゃんと理解できていないけれど、それでも、彼の言葉が放つ輝きはとても眩しくて、僕の人生にとって、この詩人の存在こそが光なんだ。
僕が学校に行かなくなったのは、生も死も分からなくなったからなんだ、上手く説明できないけど。でもね、あの人の詩に触れて、なんとなくだけど、なんと
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