マテバ、ウチヌカレル/虹村 凌
 
いた。

 僕は家に帰ると、まず今日の事をパソコンに向かっている女に報告した。この女も、お世辞にも美麗とは言い難い体型をしている。本人にも自覚があり、それなりに改善しようと努力しているようだった。醜悪、では無い。かわいらしさは多々ある。だから醜悪では無い事の証明にはならないが…。
 パソコン画面に向かいながら、彼女はあまり興味無さげに聞いていた。それでも話しかけ続ける僕にうんざりしたのか、ため息を漏らすと、一言だけ放り投げるようになげかけた。
「あなたにだって恋人がいるのだし、何の不思議も無いじゃない」
 そりゃそうだ。俺だってそう思うが、醜悪な森島の恋人と言う人物がどんな人なの
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