マテバ、ウチヌカレル/虹村 凌
 
分打ち解けているし、誘わない方が不自然と言うのも頷けるが、別段彼の誕生日を祝う気にはなれない。興味があるフリをしながら、都合良く断れる功名な言い訳をひねり出そうとしてい僕に、その店員は意外な事を言った。
「まだね、そんなに人数を集めていないんだ。何せ、一昨日思いついた事でね、森島さん…醜悪な肥満男の名前だ…の彼女とメールして、昨日の夜に決めた事だから。だから、まだこの店の店員とかバイトには声をかけてないんだよ。志村君が最初なんだ。だから、いい返事期待してるよ」
 茶色いロン毛男の鹿野はニヤリと笑って、事務所に引っ込んでしまった。  最初に誘われた事などはどうでもいい。強烈に僕の興味を引いた
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