マテバ、ウチヌカレル/虹村 凌
 
が女性だったら生理的に受け付けないであろうタイプの男であった。
 僕は彼が好きでは無い。別に悪い人じゃないのだ。愛想もいいし、仕事も出来るし、親切だし、ちゃんと会話だって出来る。でも、その醜さを僕は受け入れる事が出来なかった。あまりにも醜悪なのだ。
 醜悪である事は罪だ。僕が美しい訳では無いが、彼程醜悪では無いくらいの自負はある。いや、その心根は十分に醜いと言う自覚はある。その上で尚、彼の醜悪さを許容する事は出来ないでいる。
 バイトを始めて二ヶ月程経った頃のある日、他の店員から彼…ペンギンに似た醜悪な男…の誕生日パーティーをカラオケでするから来ないか、と誘われた。二ヶ月も経てば大分打
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