マテバ、ウチヌカレル/虹村 凌
しい君へ」となってしまい、しかもそれを背後から歩いてきたあいつに見られてしまった。あいつはニヤニヤと「私ってそんなに鬱陶しい?」と聞く。僕は「違うんだ、本当は世界で一番美しい君へ、と書こうと思ったんだ」と言う。「嘘」とあいつは笑いながら言う。「本当だ、僕が実際に見た女の子の中で、君が一番綺麗なんだ」と言うと、少し嬉しそうに笑って、再び何処かに消えた。僕は、彼女を待てば…。
自転車で近所を走り回り続けて、飛び込みでバイトを探し続けて、とうとう二駅先まで来てしまった。中目黒駅近くにあるそのコンビニは、大手のフランチャイズ店で、最初に対応した店員はやけに白髪の多い、童顔の滑
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