【句評】 √/石畑由紀子/古月
いもあると考えるべきだろう。ルートの中には何もないのではなく、何かわからないものが、わからないけれど確かにあるのだ。
とすれば、物語はなんとなく見えてくる。
ルートの中にあるもの。
自分でも判然としない、不定形なもの。割り切れないもの。
かざしたルートの中に機影が見える。
私から遠くへと飛び去っていく、その尾翼灯の瞬き。
点滅する光が、私へと送られる何かの信号であるように思えて、いつまでも目が離せない。
君の名を三回唱えてみる。
空のまぶしさに翳した手の、その形が、√になっている。
……こんなところだろうか。
ルート=航路とも読めるかな、と考えたりもしたが、だからといっ
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