【句評】 √/石畑由紀子/古月
でみる。
改めて√について考えてみる。ルート。空にかざす。
いま、空を見つめる私にとっての「空」とはなにか。ごく普通に考えるならば、私が見つめる空とは鏡のようなものであり、そこには私の心が投影されているはずだ。
私の心の中の空には、いま何も映っていない。ただルートの記号だけがある。ルートの中に当然あるべきものが、ここでは全く示されていない。
ルートの中には何もないのだろうか。それとも何もないのではなく、ルートの中には確かに何かあるのだが、それは形の掴めないものなのだろうか。
あらためて句を読んでみると、「まだこたえはない」と書かれている。
まだ見ぬ答えがあるのならば、当然問いも
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