僕は妖精と会った/岡崎師
ーっとしている。空中のある一点を見つめているようだ。
僕は酒の勢いもあってか、その子に声を掛けた。「なにをやっているの」彼女はその大きな目を僕に向けて、不思議そうに言う。
「XXXXX?」
僕はその言葉に笑い、彼女にお酒でもどう、と誘ったとおもう。また別のバーに彼女を連れて行き、1時間ほど飲んでお別れしよう。
彼女は外見に似合 わず、かなり喋る子で、僕は1時間ずっとうなずきながら話を聞いた。
硝子窓から見下ろすことの出来る36沿いは、タクシーが縦列駐車をし、煌びやかなネオ ンが街を彩っている。
様々な人間がその道を通り、誰もが別々の目的で、別々な場所へと向かう。空には星が一つだけ
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