餃子男/salco
そんなわけで帰宅の電車では、腕を組んでのうたた寝どころかコサックの
死体さながらの爆睡となる。終日を寮の古畳に寝転がって過ごす日曜だけ
は天国で、しかし今日はまだ水曜だ。
まぶしい沖縄の砂浜に座っていた。オレンジ色のビキニ姿の香織は、少し
灼けた顔を遠浅の海へ向け、体育座りでケラケラ笑っている。こちらを振
り向く度に、綺麗な歯並びが白熱の日射と砂にハレーションを起こす。
合コンで知り合った1歳下、自分好みの小柄で童顔、都内近郊にある女子
大の国文科に学んでいる。清純な顔に反比例のナイスバディに思わず目を
瞠った。
水着だとグラドルみたいじゃん。
何故ならそこまで行かずに別れ
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