【句評】 天の川/銀上かもめ/古月
 
表について書かれているように思う。
群盲象を撫でるような社会のことを風刺しているようでもあるし、無知の知とでもいうべき哲学について書かれているようでもある。
大衆は、自分たちが生きる社会や、ともに生きる人間、いつも使っている道具、言葉、文化、習慣、それらについて、何も知らなくても生きていける。ただ、うまくやっているように見えていれば、それはうまくいっているのだから。
自分がほんとうは知らないことをはなしていても、相手がペガサスを知らない人で(それは正確に伝達されなくて)も、社会は知らん顔で回っていくのだろう。
標語的ではあるが、綺麗にまとまっていて、気持ちのいい句である。


 関節
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