借りた詩集  東 直子の歌集/ふるる
 
目を覚まし繭やぶるごと館出てゆく




うーん、聞こえるし、見えるし、空気感も伝わりますね。「りるりるすべる」だって!なにそれ!オノマトペの可能性を見せ付けてくれます。さらにさらに、葬式の歌に扇風機の羽、沈んだトロフィーに沢蟹の親子、館に繭と、この組み合わせ。この目の付け所。真似したくてもできませんね。
ところで。
栞の評論に、「極論すれば、言葉(特に口語)の音楽的な味はひを楽しませてくれる歌集である。そのため、意味は時折犠牲にされている。」(詩集栞「<音楽>の発振装置」高野公彦 より)とあり、私もそれは思いました。そればっかりじゃないけど。
私はあまり詩の意味すると
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