カバとキリカ/松本 涼
 
何?・・前世・・?」
「あたしの前世の前世の前世の前世のあたしがね、石器時代にいるわけよ。」
「・・・・・。」
 ジリはいつものように、また話がおかしな方向へ行ってるなと思いながら、取り合えず黙って聞く事にした。

「それでね、あたしが温泉に入ってると・・」
「ちょ、ちょっと待って。石器時代に温泉があるわけ?」
「もちろん。マンモスの骨を埋めようとして、地面を掘ってたら温泉が出たの。」
「・・・あ、そう。」
「それでね、あたしが気持ち良く温泉に浸かってると、どこからともなくドスドスという音が聞こえてくるわけ。」
「・・・・・・。」
「ふと顔を上げると、遠くから一直線に大きなカ
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