カバとキリカ/松本 涼
し夜中に原稿用紙二枚分くらいの寝言を言うの。ジリはそれに耐えられるの?」
「ホントに・・?」
するとキリカは笑いながら「あはは。まっさか。原稿用紙二枚分寝言を言ってることに気づいてたら、それってもう寝言じゃないでしょ。」と悪びれもせずに言った。
つまりはジリは遠まわしに断れたわけだ。
しかしキリカはその後も話し続けた。
「でもね、あたしこの間『カバの肉って食べられるの!?』って言う自分の寝言で起きたの。」
「・・・へえ。きっと変な夢を見てたんだね。」
「ううん。違うわ。」
妙に確信に満ちた表情でキリカは話し始めた。
「それはね、あたしの前世の記憶なの。」
「何?
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