ジリとキリカ/松本 涼
を引きながらキリカのアパートまで歩いた。
キリカの部屋は二階の一番奥だ。インターホンを続けて三回押したが予想通り返事はなかった。ジリは仕方なくいつものように合鍵でドアを開けた。
「おーい!キリカ、いるんだろ。」
けれど返事は無い。ジリは諦めて部屋に上がったがキリカの姿は無かった。ふと思いついてジリは風呂場を覗いてみることにした。
風呂場のドアを開けるとそこにキリカが居た。
「遅かったじゃないの。一時に来るって言わなかった?」
ジリは一瞬固まったがすぐ我に返ってキリカに聞いた。
「お前…何で服着たまま風呂入ってるの?」
するとキリカは「風呂じゃないわよ。水風呂よ。」
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