まだ死は来ていない/渡邉建志
 
窮極に存在するその問いは、なにひとつ答えられてはいない。

ドラえもん、ドラえもん、ポケットになんでもあるのであれば、どうして生きる必要があるだろう。ホリエもん、ホリエもん、お金でなんでも買えるなら、どうして生きる必要があるだろう。生きることに不都合がないのなら、望むものが得られない切迫のなかで生きていないなら、望むものがなんでも手に入るあきらめの中で、どうして死のことばかり考える暇にあふれてしまわないのか、あるいは、あなたたちは、暇をもてあましても生の意義や死の意味に思い悩まないほど能天気なの?

でも大丈夫、大丈夫、死はまだそこまで来ていない。あしたになればあなたを抱きしめる人もいるだ
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