薄暮/within
抜け、大きな通りへ出た。自動販売機でダイエットコーラを買い、時計を見た。まだこんな時間か、と彼は途方に暮れ、押しつぶされそうになったが、きっとこの時間帯ならと思い、歩を進めた。
民家と自転車屋の前を抜け、少し広がりのある公園に隣接して図書館があった。図書館の中には、パーソナルスペースがいくつか設けられていた。
彼は利用カードを差込み、その一席に座った。パスワードを要求されたので、八桁の番号をマイクに向かって暗唱した。すると図書館司書の声がした。彼はおもむろにデータベースにアクセスした。しかし、その文献は「調整中」になっていた。彼は肩を落とし、ため息をひとつ吐いた。
いつになったら拝むこ
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