下駄ばきにミニシガー/m.qyi
 
ところが、
「二階屋で蝶を飼うよなおとこです」
というと全然ピンとこない。これはこれで面白いのだが、お話が全然違う。自転車でいい年越えた兄さん(サラリーマンでもいい)が帰ってきて、玄関をあがるとトントンと二階まで駆け上がり、息を切らしながら蝶の入った採収ボックスを眺めて、ほっと息をついてにこにこしている、そんな御話だ。映画で言えば、タイトル前の走り出しの一コマという感じがする。

自分で勝手にお話をつくって、それを眺めて、その感じがするというのは、想像のその中の想像の感じとくるわけだから僕は妙な人間だ。でも、そんな感じがする。

「二階屋で蝶を飼うよなおとこだった。」とすると語感として
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