午後/榊 慧
ているメレンゲに続いているらしい。
「いくつ作るの」
「四つ。」
「俺とくじくん、で、他は」
「なぜトーと俺の分以外作らなきゃいけない」
俺のパイ生地とトーのシチューだろ。と、こんどはこっちを見て言う。俺の目線とくじくんの目線が繋がる。
「でも鈴木さんとか、なんかそのあたりの子とか欲しがってたよ」
「俺の料理?」
「うん、あと福原とか」
あー、あいつらね、俺あいつらきらいだし。うわあ。お前もきらいだろとくじくんが笑う。まあね、と答えて俺もくじくんと一緒にメレンゲをみる。テーブルの上にはすでに焼き終わり冷ましている途中らしきメレンゲ、そしてまだ焼かれていないメレンゲ(ただの卵白と砂
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