観照なのか過干渉なのか不感症なのか性感染症はない私 ;/salco
 
、宍戸錠」という類のダジャレが流行っていた。洋菓子店でバイトし
ていた高校生の私は実物を前に、トングのケーキを落とさぬよう死ぬ思いをしなければ
ならなかった。氏が詰め物を除去なさる遥か以前だ。つまり貴重な頬の目撃者なのである。
極めつきは素人の方だが、時の総理大臣・鈴木善幸氏に瓜ふたつのおばさんで、鼻の頭
に5?ほどの毛が1本生えており、大切にしておられたのだろう、それが下唇をかすめ
て呼吸にそよいでいるのだった。私はパン屋でバイトしていたが、トングのパティスリ
ーを落とさぬよう死ぬ思いをしなければならなかった。私の教唆を耳にしたが為に、傍
らでレジを打つ同僚のミセスは赤面に涙さえ流
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