観照なのか過干渉なのか不感症なのか性感染症はない私 ;/salco
 
え流していたものである。

ここで私が自慢したいのは、唇を噛んで肩を震わせるといった自己犠牲では必ずしも
なく、貧乏でも高級住宅街の末端に住んでいたという事実なのだ。事実こそは雄弁だ。
しかも自ら贖ったわけではない、親の家屋である! 更には母子家庭で親の苦労と疲
労困憊を間近に見ていながら、ローンの支払いに寄与したことも一切ない。シーズン
ごとの赤点を身にまとう労を怠らず、連日のように遊び呆けていた。自分で言うのも
何だが、実に見上げたスネかじりぶりではないか。
よって、いくら私が敬愛してやまない先達の手法を剽窃したからと言って、貧との謗り
を受けるのは見当違いにも程がある。何故
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