彼らの時代/済谷川蛍
 
向き、俺の顔をみた。すぐに顔を戻したが、その一瞬に俺は彼女の恐怖を感じ取った。彼女たちは、自分を知られることを恐れている。ほとんど意識することはないだろうが、罪悪感さえ抱いている。 帰りに「子供見守り隊」と書かれたシールがやたらと目につき気まずくなった。
 ある日、凛少年が銀縁メガネをかけてきた。少し照れているようだった。
 「どうしたの」と聞いてやると「昨日買った」と言う。凛少年が机に置かれた俺のメガネを見て「これいくら?」と聞いた。レンズに少しブラックの色が入ったほうはスタルクアイズで、透明なレンズの銀縁のほうはフォーナインズだった。
 「高い」
 「どれくらい?」
 「5万
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