ガールフレンド/済谷川蛍
 
が続いていた。もうすぐ大学の夏休みだった。
 「肩、揉んでくれないかな」
 「いや」
 「いつまでいるつもりなの」
 「そんなのわかんない。明日かもしれないし。でもあんたが期待してるほど長くはいないつもりだから」
 だんだん彼女は俺に嫌われることに慣れていっている気がする。しかし一線は越えまいとしている。そういう人間臭さを隠すのが初期の男女関係というものだが、初々しさなど初めからなかった。あくまでカップルのふりなのだから当然のことかもしれないが。彼女は生来の女の子っぽさを持っていた。普通の女の子よりも女の子らしかった。キツい言葉も本気で言ってるわけでなくて発音も丸っこく、まった
[次のページ]
戻る   Point(2)