ガールフレンド/済谷川蛍
ったく苦にならない。俺も常にその仕草や声に心を揺すぶられていた。彼女は自分に具わった生まれついての特権をよく知っており、それを武器にも盾にもしていた。俺が彼女の性格を知っていくように、彼女も俺の性格を知っていった。そして今のところ、宿主である俺よりも、同居人である彼女のほうが優越していた。こうして考えると、孤独というのは、一体何というデメリットであろう。
「ところで、プリクラはいつ撮りにいくの?」
プリクラという言葉に俺は動揺し、心が浮き立った。はたしてツーショット写真について、彼女のほうから話題を差出してきたのだ。本当に狡賢いやつだと思った。
「今週の土曜、大阪行こうよ」
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