ガールフレンド/済谷川蛍
た感じがした。彼女も真顔に変わった。
「まぁ、あんたの世代じゃ別段自慢にはならないかもしれないね」
「自慢はしてないが…」
彼女は目を細め、ニヤっと笑った。
「いや、してるよ。してるさ。ハードボイルド気取ってるもん」
俺は自分のことを見抜かれ、妙に可笑しく、フフッと笑った。
「実際はただの根暗だけどな」
「そっ、あんたはただのネ・ク・ラ」
会話にふんぎりがついた。彼女はもう漫画に没頭している。俺はまだまだ話し足りなかったが、彼女はそれから風呂に入り、先に眠ってしまった。
三
プリクラを撮ることもなく、彼女がいる以外は緩慢な生活が続
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