ガールフレンド/済谷川蛍
てないのか」
「あー、あれはねー。だいじょぶ」
大丈夫なのか。今、日本ってこんなことになってるのか、と思った。
「Hはなしだからね。キスも」
俺は鼻で笑った。
「わたし、軽い女じゃないのよ。自分でも不思議に感じてんだけど。少しでもそういう時期になったときには即効別れたわ」
蓋を開けてみればよく喋る子だった。
「ところであんた童貞だよね?」
「そうだよ」
「えーっ、マジ童貞? 童貞が許されるのはハタチまでだよー」
ふいに頭が冴え、勝手に口から漏れるように言葉を吐いた。
「俺は、重たすぎる人間なんだよ」
一瞬部屋の時間が止まった感
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