イリュージョン/済谷川蛍
 
げながら、ヨシミが着替えるのを待った。
 「ねえっ、すごいもの見つけたよー!」と私服に着替えたヨシミが早足でやってきた。
 「なにー?」と3人同時に言った。
 「お化け屋敷! いいから、とにかくきてっ」
 ヨシミはヒロキの手首を握って森の中へ誘った。ヒデトは腕時計を見て、「ごめん、ぼく遅れるから」と言い、急いで野路を走っていった。ヨウスケはヒデトたちに着いていくことにした。しばらく森の奥へ進んでいくと、急に木の生えていない開けた土地が現れた。
 「ほら、スゴイでしょ!」
 その中に、今まで見たこともない古めかしい洋館が建っていた。
 「なにこれぇ」「ね、おばけ屋敷みたい
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