イリュージョン/済谷川蛍
 
たいでしょ!」  
 「……」
 少年たちはその洋館が醸し出す雰囲気にしばし圧倒された。
 ヒロキは洋館に目を奪われながら、外周をぐるりと回った。ヨシミとヨウスケもそれに続いた。洋館の裏に回ったとき、3人は思わず悲鳴を上げた。ツタに覆われた墓が不気味に佇んでいた。
 「ねえ、帰ろうよぉ」と堪らずヨウスケが弱音をはく。ヒロキは、ヨシミの手前、恐怖を押し殺し、強がることにした。
 「ヨウちゃん、こんなのが怖いの?」
 「違うって、もう遅いから、危ないからさぁ」
 3人は再び洋館の正面に立った。
 「ねぇ、どうするぅ?」とヨシミが言った。 
 「中に入ってみようぜ」と
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