FREE HUGS・?/高梁サトル
グッズもブランド品で揃えられおり、いかにも女性が喜びそうなもてなしだ。
シャワーを浴びた後、なにやら落ち着かない部屋を飛び出して、セントラルマーケットへと向った。
石造りの家々の間には運河が流れており、そこにはブリュージュという名前の由来にもなった通り、いくつも橋が架かっている。
川辺には若々しい木々の新緑が映え、一日中眺めても飽きないほど美しい光景だ。
うっとりしながら歩いていると、ある毛糸屋さんの白い戸口の前で女の子とおばあさんがこちらを見ている。
小さく手を振ると、幼い「ヤーパンヤーパン」という声が聞こえた。
すれ違いに彼女の瞳を覗き込むと、ガラス玉のように透き通った緑色の虹
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