誰かの手紙/番田 
 

「つむいでいくことに対してすら疲れ切った僕がいるのかもしれん」と、雨の降る窓の前でぼんやりとそんなことを考えている。誰に何を語ることなく疲れ切って。何にもない言葉をつむいでいくことに対しての僕が、雨の降る窓の前でぼんやりとそんなことを考えている。何にもない言葉だった。ツツジが咲いている。雨のアスファルトがあって、濡れた家の壁があって。…深緑色をした街路樹があったのかも。必死でこんなに動き回っているのだが、この僕にはなぜチャンスが巡ってこないのだろうと、窓の外を見た。

数匹のウサギが走り回っている。何でもないのだろう。思う何一つ何でもないのだろう、そんなふうにして最近飲み屋で上司たちとぼん
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